Vol:002 宮本敦 ✕ 三浦太郎(フレンズ,Taro Miura)


ゲストプロフィール
三浦太郎
フレンズ
2015 年結成。えみそん(Vo)、ひろせひろせ(MC, Key)、⻑島涼平(Ba)、三浦太郎(Gt, Cho)、関口塁(Dr)からなる男女 5 人組バンド。(ひろせひろせは、2020 年末より無期限 活動休止中)
渋谷の街からちょっと離れた静かな都会の夜を感じたと思えば、良いことがあった日にス キップをしたくなる。恋に友情に、あなたのなんでもない日常をちょっとハッピーにしてくれる、東京都渋谷区神泉発 男女 5 人組神泉系バンド。
2021 年 3 月 17 日(水) 新曲「約束」 (TV アニメ『ホリミヤ』エンディングテーマ) 発売決定! 現在先行配信中!

Calmeraの15周年企画として、メンバー一人一人が今話したい相手と対談、インタビューをする企画 第二弾今回はギタリスト宮本敦が、ゆっくり音楽の話をしたい同世代ミュージシャンに話を聞くことにしました。今回、僕がラブコールを送ったお相手は フレンズのギタリスト 三浦太郎(フレンズ / Taro Miura)

フレンズというファミリー

: フレンズの三浦太郎君、今回はよろしくお願いします。

太郎 : よろしくお願いします。

: 今回は、太郎君がどういう音楽を通ってきてどういうものが好きでという話から、同世代のミュージシャンらしい話ができたら面白いのかなと思っていて。

太郎 : フレンズになってそういう話してなかったのでやりたかったです。

: まず最初に、フレンズについて気になっていたことがあって。“神泉系”って、どういう意味なんでしょう?

太郎 : はじめ、えみそんとひろせが曲作ろうと集まった時に、ひろせがえみそんに歌詞のテーマを神泉系って無茶振りしたら「渋谷から一駅離れた大人感、渋谷のわいわいにちょっと向かうちょっとドキドキする感じ」というようなイメージがストンと落ちてきて。それがバンドのテーマになるんですけど。でも、僕はそのテーマが決まった後で加入することになるんです。

: そうなのね。

太郎 : 元々は別のギタリストがいたんですけど、別の活動が忙しくなるから抜けることになって。僕のバンドHOLIDAYS OF SEVENTEEN(以下 HO17)が2015年末に解散するんですけど、そのラストライブのサポートで弾いてくれてたのがベースの涼平なんです。その後「解散して暇だよね?」って誘ってくれて、ギタリストとして参加することになったんです。だから、入ったときにはすでに神泉系ってテーマが出来上がっていたんですよ。

: なるほど。でも、HO17の時と若干ジャンルは違ったと思うけど?

太郎 : そう、全然違うんです。しかもギタリストって立ち位置で入るって予想してなかったんです。けど、その時はどうしてもなにか音楽にすがりつく理由が欲しくて。

: うんうん。HO17がなくなって焦りみたいなのがあった?

太郎 : そうですね。もうやるバンドがないし、作曲活動とかそういうのもやってなかったから、色々やってみようっていう中の一つで。みんな他にソロ活動とかやってるから忙しくないだろうなって思って入ったのがはじめなんです。僕のプロジェクトの一つにできるだろうってつもりで入って。でもそしたら、2ヶ月ぐらいでワンマンやるとか、やばいやばいってなって。(笑)

: 急に忙しくなったんだ。(笑)その2か月ぐらいでバンバンやっていこうみたいな形になったのはどうして?

太郎 : その年のVIVA LA ROCKに誘われたのがきっかけで「だったら音源を作りたいよね、ライブもやっておきたいよね」って話になって。もちろん最初は、音源も自主制作で作って流通も通販と会場限定だったんですけど。でも意外とそれがどんどん売れていって「これは忙しくなりそうだな」と。

: プロジェクトの感覚で行くわけにはいかなくなったと。(笑)それからどんどん人気なっていったけど”あれ?登っていってるかも?”っていう感覚はあった?

太郎 : その最初のTHREEでのワンマンがすぐ売り切れて。あれ?もうちょっと大きくてもいけるのかな?って。次どこやろうかって話の時に、、たしかどこかでジンギスカン食べてるときで。なんかのお祝いで、ワンマンの打ち上げだったかな…そうだ、涼平の誕生日会だ。そこで次どこでやろうって話で渋谷WWWどうかなって話になって。100人から400人になるのに無理じゃない?とかも言ってたんですけど。

: 確かに大きく増えるね。(笑)

太郎 : でも渋谷WWWに問い合わせたら、スケジュール空いてるから「よしやろうぜ!!」「やっちゃおう!」みたいな感じで。

: 勢い大事。その時は自分たちだけで動かしてたの?

太郎 : そう、そのときは自分達と、当時は会社員だった今の事務所の社長が無償で手伝いとか連絡系統とかもやってくれていて。

: もうその時は今の事務所といい関係があったんですね。

太郎 : そうなんですよ。あと、その時は手伝いで僕の弟もいて。

: へー!

太郎 : グッズの売り子がいないと出演中は売れないし、弟に売り子で入ってもらってたり、社長も元々はドラムの塁の飲み友達で。周りの人間だけで始めて動き出して、フレンズっていいながらもファミリーみたいな感じで。

: 良いね。

太郎 : それで、渋谷WWW終わったら次は、もうリキッドルームもできんじゃないみたい気持ちで。(笑)

: なんかもう階段の飛び方がおかしい。(笑)

太郎 : それでリキッドやって、その後どこで演ったっけ…もうZEPPかな…んー、なんかもう覚えてないですね。(笑)

: (笑)

太郎 : あまりにスピード感がありすぎて。。(笑)

: 確かにすごいスピード感。今までやってきたバンドの経歴からしたら…

太郎 : 経歴からしたらもう、飛び級飛び級です。

バンドで大事にしていること

: こんなペースで進んでいって大丈夫かなって不安になったりはしなかった?

太郎 : もちろんなりました。その当時、僕はsumikaのサポートをやっていて、そのsumikaがまさにそういう飛び級の活躍をしていて。その活躍を目の当たりにしてたから、自分のバンドも同じだっていう気持ちもあって。それと同時に、どんどん上がってくのに自分がついていけてないんじゃないかっていう実感もあって。

: それは実力的な部分でってこと?

太郎 : そうですね、ギターのテクニックもそうですけど、今までギタリストとしてやってないっていうコンプレックスがすごいあったんですよ。自分自身はコーラスの人で、sumikaでもコーラスしかやってなかったので、ギタリストとしてこのステージに立ってていいのかなって感覚が常にあって。でも、うちのバンドの涼平がthe telephonesで武道館もやってるし、スーパーアリーナもやってて経験値があるから、そんなメンバーの一言一言に助けられて励みになりましたね。

: なるほど。メンバーそれぞれ違うフィールドで経験を積んでいるから補い合えるものがあったり?

太郎 : そうですね。みんな色んなソロ活動やってるんですけど、えみそんは女の子だから、見栄えや見せ方のマインドが僕らと違って頼りになるんですよね。舞台の装飾しかり、演出しかり、セットリストもえみそんが決めてくれてて。涼平の場数っていうのも頼りにしてますし。

: なるほどね。フレンズの持ってるキャラクター性というか、ホームページもポップでいいなと思っていて。そんなカラーリングは誰かがイニシアティブをとってるの?

太郎 : そうですね、あれもえみそんが全部やっていて。最初にやってくれた時によかったから、僕ら的にも納得出来るし安心できますよね。

: それはちょっと羨ましい。(笑)僕らは8人いて、それぞれ8人8様の好きなものがあって。その好きなものがバンドのやりたいことと一致しているのかは分からなくて、それぞれカードを選びながら考えて提案してると思う。だから時間がかかることもあって。これ!って決める人がいて、そのセンスをメンバーも信頼できているのは望ましい形だなって。

太郎 : 前のバンドで自分がやってた時が、まさにそんな感じだったのでよくわかります。だから自信持って選んでくれる人がいて、それがもし間違っていても「間違ってるよ」って言えない関係じゃないから、今はいい形なんだなって思ってます。

: メンバーは、誕生日会するくらい仲はいいんやね。

太郎 : そうですね。誕生日会もやるし、誕生日プレゼントも毎年やってます。

: すばらしい! 僕らも毎年やってたのだけど、15年経つと廃止になりました。(笑)

太郎 : そうですよね。 たしかにいつまでやるんだろうって感覚はあります。(笑)

: 一回、忙しさに追われて忘れてしまった時があって。うちのリーダーのゴウシ君とベースのひでやくんが同じ誕生日なんですけどね。

太郎 : へー!

: 誕生日前まで、他のメンバーと裏で誕生日プレゼントの話してたのに、誕生日近くの集まる頃に忘れてしまってて…数日後に誕生日の本人たちから「言いにくいんやけど、今年はない感じよね?長くやってきたし大変やし、これを機にプレゼントは廃止にしようよ?」って。(笑)

太郎 : あー!(笑)

: ダメなミスしたなぁって…ほんとうにすいませんって。

太郎 : うちもそんなことあった様な気がする!(笑) でも忘れてないふりして後日やりましたね。

: それが出来たら良かったんやけどなぁ。でも、そうやってプレゼントを渡し合うように、人として仲良くやっていこうとする行為ってバンドにはすごく大事な気がする。

太郎 : 大事ですね。

: それがあるバンドって素敵だなぁと思いました。

太郎 : みんなセカンドキャリアのメンバーだから、そういう事や人としてダメなところは言い合おうって部分はみんな強く思っていますね。

: それが、さっき太郎くんが言ってた「フレンズだけどファミリー」っていう言葉に込められているんでしょうね。

太郎 : なんか、”フレンズ”って名前のおかげもあって大事にできている様な気もしています。

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